11月26日、ディズニーリゾートの運営会社であるオリエンタルランドが自社株買い及び消却を発表しました。
規模は発行済株式総数の1.09%にあたる1800万株で総額752億円です。
株主への影響や今後の株価上昇に寄与する可能性について考察しました。
市場買付けではなく、京成電鉄から買付け
今般、当社株主である京成電鉄株式会社より、同社が保有する当社株式を売却する意向を有している旨の連絡を受けた。当該売却による当社株式需給への短期的な影響を緩和し、既存の株主への影響を軽減するため、本方針に基づき、自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)による自己株式の取得および自己株式の消却を実施する。
2024.11.16自己株式の取得および自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)による自己株式の買付けならびに自己株式の消却に関するお知らせ
市場買付けではないため、短期的な株式需給には影響しません。
ただ、発行済株式総数が減少することは間違いなく、EPSが上昇するため長期的には株価上昇に寄与します。
市場買付でも立会外買付でもファンダメンタルズ的には違いはありません。
京成電鉄からの自社株買いが株主に与えるインパクト
京成電鉄からの自社株買いが株主に与えるインパクトは次の通りです。
1、5は事実であり、2~4はぱぱかぶが考えるストーリーです。
1.発行済株式総数が減少=EPSが上昇し、PERが下がる
発行済株式総数が1.09%減少するため、1株当たり純利益であるEPSが上昇します。
EPSの上昇に伴いPERが下がります。
2.需給悪化懸念の払拭
OLC株の21.04%を保有する京成電鉄は、アクティビストにOLC株売却の圧力をかけ続けられており、京成電鉄は抵抗しているもののアクティビストの要求に全く応じないということは理屈上難しくなっています。
オリエンタルランドの株主からすれば、京成電鉄からの3億4674万7000株がいつ市場に降ってくるかわからないという恐怖があり、京成電鉄のOLC株の売却話が出るたびに株価が下落していました。
今回の自社株買い対応により、京成電鉄のOLC株売却による株式需給の悪化懸念は払拭されました。
その理由は、今回だけ特別に自社株買いし、次回は買わないという一貫性のない対応を超大企業であるオリエンタルランドがすることは考えにくく、今後も同様に京成電鉄のOLC株を自社株買いし続けると考えられるからです。
3.複数年に渡る積極的な自社株買いの継続期待が創出
これまで決して株主還元に積極的ではなかったオリエンタルランドですが、今回の件により、今後も長期に渡り自社株買いを継続する可能性が出てきました。
なにせ京成電鉄はOLC株を3億4674万7000株も保有しており、このペースで売却を進めても保有株を0にするまで、20年以上かかる計算になります。
4.今後はアクティビストによるOLC株売却圧力がオリエンタルランド株上昇圧力に変化
今までは京成電鉄のOLC株の売却話でるたび、悪材料として市場に捉えられてきましたが、今後は好材料として市場に捉えられることが期待できます。
アクティビストが京成電鉄OLC株売却圧力→京成電鉄OLC株売却→オリエンタルランド自社株買い
という構図が完成し、今までの悪材料が好材料に変化した可能性があります。
5.株価下落による自社株買いの効率向上
皮肉にも今年のオリエンタルランド株の急落が自主株買いの効率を上げています。
オリエンタルランドの株価は年初の高値から40%も下落しているため、40%割引で自社株買いを実施することができます。
まとめ
上記に書いた通り、ぱぱかぶは今回のIRの意味は非常に大きく、低迷を続けているオリエンタルランド株価反転のきっかけになると考えています。
Xやヤフーファイナンスの掲示板を見る限り、ほとんどの個人投資家は今回の自社株買いを単なる1.09%の自社株買い立会外買付であり、株価への影響は軽微であると認識しており、上記に書いたようなストーリーは考えていないと思われます。
そのため、今回のIRは株価にゆっくりと織り込まれるはずです。
本日の株価は寄りでは急騰しないかもしれません。
ぱぱかぶは株価上昇が弱かった場合を想定し、今日の寄りから指値買いを入れておきます。
昨日、Xで凄腕カリスマトレーダー「テスタ氏」が、爆損したトレーダーにクレームをつけられて対応に苦慮しているのを目にしました。
ぱぱかぶはオリエンタルランドの株価が上がるかどうかは全く分かりません。こういうストーリーが描けたので個人的な意見を備忘録的にブログに書いているだけですので、株の損失によるクレームなどは一切受け付けませんのでご了承ください。
※決して銘柄の推奨ではありません。株は自己責任でお願いします。
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