投資とは、詳細な分析に基づいて行うものであり、元本を保全して、適切なリターンを上げることと定義する。この条件を満たさないものを投機と呼ぶ。
ベンジャミン・グレアム『賢明なる投資家』,1949年
株式の投機は悪だろうか
インデックス投信をドルコスト平均法で買い付けることは資産を築く上で最も再現性の高い賢明な方法です。
しかし積立投信では4人家族一馬力でのFIRE達成は不可能ではないにしても相応の時間がかかるでしょう。
なるべく早くFIREを達成するには世界経済の成長のみでなく投機的な利益も享受しなければなりません。
一般的に投機は投資と比べてあまり良くないことだと認識されています。
投機は悪いことなのでしょうか?投機は危ないから絶対にやらない方がいいのでしょうか?
私は賢明な投資というものがあるように賢明な投機というものもまたあると考えています。
予め決めた割合の中で投機する
素晴らしい企業を妥当な価格で買うことによって、投機部分での損失を無くし、企業の成長にのみ賭けることができます。
これは投資の原則であり、真理ですね。
投機をするべきでは無いと言われる理由は、
①完全な予測は不可能であること
②予測は当たり外れのみで安全域の概念がないこと
③投機に失敗すると吹き飛ぶ可能性があること
④株価は長期的には企業が生み出すキャッシュフローの現在価値に収斂するから短期的な投機は全体として見ると不毛であり、長期投資が最適解だからです。
反論の余地がないくらいの正論ですよね。
しかし、投資家には心理や経済動向を予測することによる投機をしたいという誘惑は常にあります。
投機の誘惑は付き纏うのです。
投機に資産の大部分を投入するなどして例えかなり低い確率であっても吹き飛ぶ可能性がある状態に自分の資産を配分することは明らかにギャンブルです。やめておいた方がよいでしょう。
しかし予め決めた一定額の範囲での投機であればどうでしょうか?
投機の成功は急速に資金を増やすことにつながります。
特に資金が少ない若年層の投資家がFIREを目指すのなら投機は必要だと思います。
手持ちの1割か2割程度の一定割合をS&P500のETFで投機するのは悪く無い選択肢に思えます。
一定額の現物投機であれば、投資額以上に損することは無いため、破滅することは絶対にない。
投機の欲望も満たせるし、比較的頻繁に売買することにより投資への注意力を鋭く持ち続けることができます。
売買しない銘柄の分析を毎日続けることはなかなか難しい。しかし、少額でも買おうとするのであれば詳細分析も捗るというものです。
最適な投機対象は?
では投機はどの手法を採るべきでしょうか?FX,先物,CFD,信用取引…どれが最適でしょうか?
私的には魅力的な個別株を信用で取引する方法と、指数ETFでレバレッジをかけてマーケットタイミングを測る方法の2つを推します。
特にS&P500の連動するETFは投機に最適です。理由はいくつかあります。
❶必ず平均回帰する。
指数は個別株と違い0になることが無く、S&P500を十分に割安な価格で買うことができれば、数年とかからずに必ず本質的価値に回帰します。
十分に安い価格とは、直近の最高値から25%以上下落した弱気相場の時です。
暴落時において近年はより短期間で株価を戻す傾向があります。
コロナショックでは半年もかかりませんでした。これはおそらく、
- ドルコスト平均法のインデックス投信が民衆に浸透したこと
- ETFが発明されたことにより、個別株を買って暴落相場と共に倒産し紙屑になる危険性が無くなったため、資金を株式市場に置いておきやすいこと
- グローバル化が進展し、海外からでも米国の指数を容易に買えるようになったこと
が影響しているのではないかと推測します。
❷手数料が安い。
VOOなどのS&P500に連動するETFは証券会社によっては買付手数料が無料であり、信託手数料も0.03%と気にする必要が全く無いほど安い。
❸長期保有に適している。
米国株指数への投資が長期保有に適していることは疑いの余地がないでしょう。
2年連続でマイナスのリターンになるすらあまりないのです。
投機に適していて長期保有にも適しているとなれば、25%の下落で購入した後にさらに20%ほど下落した場合など、短期的な投機に失敗したとしても、根気強く数年持ち続ければ損をする可能性は低いでしょう。
投機を使いこなす戦略
このような考えから私は投資資金の一部で投機することを投資方針としています。
【私の投機戦略】
・全体の投資資金の20%で投機する。
・20%を絶対に超えないこと。
・何%下落したら何割投資するか事前に決めておき、機械的にナンピンに出動すること。
・投機対象は、リスクの高い個別株、個別株信用取引、レバレッジ型ETFとする。
リスクの高い個別株というのは大ダメージを受けて会社の存続が危ぶまれている企業や急成長株を指します。
これは主観的に決めています。
私がリストアップしている優良企業株はリスクの高い個別株には含まれません。
指数連動ETFではなくレバレッジ型ETFにしている理由は、手持ち資金が少ないため通常の指数連動ETFだと利益が少ないからです。
手持ち資金が1,500万円程度と少額の場合、その20%は300万円です。
買い増し用に資金を半分残す場合、150万円しか1度目の投機に投入できないため、たとえ50%の上昇をものにしても利益は75万円しか得られません。
これは資金が5,000万円程度あれば話が変わってきます。
20%の1,000万円を投機用にとっておき、500万円を1発目の投機に投入することができる。
50%の上昇をものにできれぼ利益は250万にもなる。
なので資金の少ない私は3倍ETFで運用をしたいと思います。
筆頭候補はSPXL(Direxion デイリーS&P500ブル3倍 ETF)で、買うタイミングは暴落時です。
こういった商品は減価や高めの経費が発生するため長期投資には向いていませんが、短中期売買の場合はこのデメリットが少なくなります。
実は昨年の2022年10月、S&P500が1月の高値4,818ドルから3,491ドルまで27.5%下落した時にSPXLを買おうとしていましたが、コスト(減価、経費率)を気にして買うのをやめました。
やったことは積立投信の増額と米国個別株への多額の投資です。
結果的に個別株は銘柄選択を誤り、ほとんど利益を得らないどころか10%程度のマイナスになっています。
2023/10/12のS&P500は4,376ドルですので25%上昇したことになります。
買い悩んでいた時はSPXLが55ドルの時でしたので、買っていれば50%の上昇を得られていました。
実に惜しいことしました。コストを気にしすぎて投資判断を変えてしましました。
これは反省しなければなりません。
保守的な性格なので、労働期間中の資産運用では逆に積極的にリスクを取っていきたい。
投資資金の一部で投機をすることはむしろやっていかなければいけないことだと思っています。
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