国債の金利が5%超えに
米国債券は一般的に無リスク資産と呼ばれています。
アメリカほどの超大国がデフォルトする確率は極めて低いからですね。
米国国債は確実に利息が支払われると信用できるのでリスクは0なのです。
長年低金利に慣れ、金利はもう上がることはないとまことしやかに囁かれるまでになっていました。
しかしFRBによるインフレの抑制を目的とした利上げを背景として、米国債券のような無リスクで5%のリターンを得られる、久し振りの高金利時代に突入しました。
国債とリスクプレミアム
アメリカ2年国債利回りは5.058と2006.6月以来の水準まで上昇しました。
インカムゲインのみを求める高配当投資の場合、リスクをとって配当利回り6~9%のリターンを得ると言うことです。
計算式で表すと↓
配当利回り6~9% ー 米国債利回り5% = リスクプレミアム1~4%
1~4%のリターンがリスクプレミアムになります。
リスクを取ることにより得られるリターンが1~4%です。
この時、期待リターンがリスクの大きさに見合っているかを検討せねばなりません。
私はリスクプレミアム1~4%のために株を買おうとは思いません。
それなりにキャピタルゲインも期待できるものでなければ投資対象になり得ません。
リスクを一切取らないのであれば、5%の金利を得ることになりますので、自分の取ろうとするリスクに期待リターンが見合っているのかよく検討したいところです。
リターン5%では何も変わらない
確実にリターン5%を得られるのは悪くはない選択肢に思えます。
少なくとも、ここ数十年低金利が続く国、日本の国民からは想像できないほど高利です。
しかし私は国債には投資しません。
なぜなら、年利5%を得続けたとしても、人生は何も変わらないからです。
インフレには勝てるかもしれませんが、2%のインフレ率を差し引けば実質リターンは3%です。
あまりにも小さく人生に与える影響はほとんどないレベルです。
総資産1,600万円程度のサラリーマンにとって3%の年利を得られても480,000円にしかなりません。
これではFIREするのに何年かかることやら。一生FIREできないかもしれません。
この下落相場でも、5%を超えるリターンが見込める株を見つけることはできるはずです。
一時的な現金の避難場所に債券を選ぶのは悪くありませんが、あくまで魅力的な銘柄が見つからない場合に限ります。
下落相場は魅力的な株を割安で買えるチャンスです。
金利が高い時こそ株式に投資すべきであると考えています。
例えば、1980年代アメリカのように国債利回り14%とか、10%を超えてくるようなことになれば、さすがに債券への投資を検討するべきでしょう。
10%超えの利回りが確実に手に入るのはかなり手堅い投資といえます。
ですが、長期的にみると株式投資が最も稼げるのは間違いないのです。
長期的に右肩上がりの米国株指数であれば、高金利で株価が下落しているタイミングは長期的に見れば買い場になるのでしょう。
これから20-30年投資するのであれば、株式投資が最有力候補なのは変わりません。
より早めのFIRE達成が私の投資の目的です。
老後資金を貯めるのが目的ではないので、5%程度のリターンでは満足しないスタンスを取っていきたい。
米国債をドル転してまで買うのはリスクが高すぎる
あと日本人が米国債を買う際に気をつけるべきこととして為替リスクは外せません。
いまは1ドル150円の円安局面です。
今後、円高に振り戻されるのは必然に思えます。
いつ円高局面が来るのかは読めませんが、長期的には間違いなく円高局面がくるだろうし、160,170円まで円安が進むのを政府は流石に許容しないでしょう。
国民がここまで物価高に苦しんでいて、その物価高の最大要因である円安がさらに進んだ場合に何も政府として対策しないのは考えにくい。
為替介入で時間を稼ぎつつ、緩やかに金利を上げる。こうして円安傾向に一定の歯止めをかけると考えます。
今後は円安に歯止めがかかり、円高傾向に引っ張られ120〜130円で落ち着くのではと予想しています。
そうすると、5%の利益を得るために大きな損失を出す危険性があります。
すでにドルの余力がある人は、米国債に投資するリスクは低いかもしれませんが、ドルの余力がなく円転してまで米国債を買うのはリスクが高い。
個人的な予想では不利な為替リスクになるということもあって、米国債への投資は考えていません。
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