私は一度家を買って売却し今は賃貸に住んでいます。
なので持ち家と賃貸のメリットデメリット両方を知っています。
そんな私は実は一貫して賃貸派です。
家を買ったのは妻が戸建てに住みたいという夢があったからです。
私は大切な人の夢を叶えられるのに頑なに叶えさせてあげないほどのお金渋りおじさんではありません。
ですが結局持ち家のデメリットをもろに受けて売却することになりました。
持ち家のリスクの高さを痛感しました。
ここでいうリスクとは損失の可能性のことを指します。
道路族被害により自宅を売却
私たち一家は新築分譲住宅地の一画を購入しました。
駅徒歩圏内ですぐ近くに公園も学校もスーパーもある。立地はとても良い。
入居者の8割は子育て世帯ということで同じ境遇のものたち同士なので、すでに完成したコミュニティに自分たちだけ入っていくような土地を買うよりも馴染みやすいのでは無いか期待していました。
分譲住宅は大手ハウスメーカーだったので綺麗な住宅地の完成が期待でき、決して安くはない分譲住宅地だったのである程度民度も保たれているだろうと思っていました。
購入者はほぼ同時に入居しましたが建物完成まで数日の差があったので私たちは後半の方でした。
そして入居翌日、引っ越しの挨拶のため各住宅に挨拶に回りました。皆さん人当たりも良く話しやすい。
1軒だけ奥さんが玄関の奥から対応されてて、他の家族が全く出てこないので少し寂しかったですが…ちなみに明らかに家には旦那さんやお子さんがいるようでした。まぁ何か忙しかったのでしょう。
この時点ではまだ、何か変だなというお宅はなく、これならうまくやれそうだと思いました。
それから数日後、お隣の子供達と親が家の前で縄跳びをしたりサッカーをして遊んでいました。のびのびとしていい雰囲気だなと安心しました。
数週間後、私たち一家が公園から帰ってきたら何軒かの家の子供と大人が家の前の道路で遊んでいました。
「お帰りなさい〜!」「こんばんはー」アットホームな雰囲気の良い住宅地です。
私達も混ざって子供達を一緒に遊ばせました。
それから数ヶ月毎日家の前の道路で遊ぶようになり、多い時には子供達パパママ祖父母20人以上が集まりました。
平日は16-19時、休日は朝から遊び始めてお昼を道路にレジャーシートを広げて食べ、その後は晩までベンチやテーブル、テントを出して大円団が繰り広げられていました。
道路を会場にして分譲住民だけの夏祭り、花火やハロウィンイベント、夜通しの飲み会などが実施されました。
私達家族は混ざったり混ざらなかったりです。
近所に住む職場の同僚から聞いた話では、近隣住民の間ではちょっとした有名な分譲になっていたらしいです。
たしかに通りかかる人たちはこちらを物珍しそうな表情で見ながら歩いていきます。
私達家族は休みの日には公園に遊びに行ったり、図書館、習い事と外出するのが基本でしたが、分譲の人たちは家の前の道路で遊ぶのが日課であり休日の過ごしかたになっていたようです。
「公園に行くと子供を見るのが大変なんだよね〜」「わかる〜ここで遊んでもらうのが一番楽」と分譲のママたちの話が聞こえてきます。
常に道路で遊んでいるので車で家に出入りする時にはすいませーん!車通ります!と声をかけなければなりません。子供を轢いてしまっては大変です。
声をかけた後に道路に散らばった遊具や幼児を回収するので入出庫には多少の時間がかかります。遊びに夢中なので車にはすぐに気づきません。
なぜ自宅から出入りするのに毎回声をかけなければいけないのだろうと内気な私は悩みました。
そのうち、車で帰宅するときに道路で遊んでいませんようにと祈る日々が続きました。
家にいても目の前の道路で大勢で奇声を上げて遊んでいるのでかなり声が聞こえてきます。
赤ちゃんが産まれたばかりの家の前であっても遠慮はありません。
旅行で疲れて帰ってきた時も遊んでいました。もちろんこちらの事情などお構いなしです。
うちの子供たちが遊びたいと言うと帰りたくても帰れない。
駄々をこねる子供を無理やり連れて帰ることはできますが、流石に大勢遊んでいるなかでうちの子供だけ遊びに参加させないのは親として気が引けるというものです。
なぜ自宅で静かに暮らしたいだけなのにこんなに周りに悩まされなければならないのだろう?これなら今までの集合住宅の方がマシじゃ無いか…。
高いお金を出して住みやすさを買ったのにまるで意味がないじゃないか。
私の場合、会社から賃貸補助が30,000円出てたので戸建て住宅の購入は金銭的には損になります。
居心地の良い住処を手に入れたのでなければ完全に無駄金です。
金銭的にも損をしつつ癒されるはずの家で逆にストレスを溜めていては元も子もありません。
妻も同じようにストレスを溜めていて、もはや生活に支障が出そうでした。
そこで夫婦で話し合い自宅の売却を決めました。損切りです。
幸い売り出し1ヶ月程度で売却でき、時期が良かったのか損失もほとんどありませんでした。
子連れの自宅売却の労力は相当なものです。
見積徴収、不動産会社との打ち合わせ、内覧準備、売買契約…もう2度としたくありません。
悩んでいる時期にネットで色々と調べたのですが、ネットでは道路族と呼ばれていて被害者も少なく無いようです。
今も悩まれている被害者の方々のことを思うと胸が痛い。
売値がつかなければ多額の借金を抱えることもあるので容易に引っ越せない被害者もいるでしょう。
私は近所付き合いを否定しているわけではありません。
多少子供達が道路で遊ぶくらい全然気になりません。
ただ毎日数時間も道路で遊ぶのは明らかに度が過ぎている。
道路族の方々には周辺への配慮を忘れないでいただきたいですね。
持ち家か賃貸かまとめ
とまぁこんな事情があり、自宅を売却したわけであります。
いやぁ昔のことを思い出しながら書いていたらかつてないほどに筆が進みました笑
やはり持ち家は周辺環境に左右されるリスクが大きいですね。
今回の私が経験したこと以外にも様々なことが起こる可能性があります。
隣人の子供が急にトランペットを吹き始めるかもしれないし、火遊びで貰い火をするかもしれない。突然隣家に布団叩きおばさんが引越して来るかもしれない。
賃貸なら管理会社経由で注意してもらうか、それでも直らなければ簡単に引っ越せますのでリスクは下げられます。
今は賃貸で何も不満なく快適に暮らしています。
うちの分譲がいかに異常な環境であったかをたまに妻と笑い話をしています。
こんな経験をしたこともあって、今後、私は持ち家のほうが金銭的にすごく有利になるということがない限り賃貸にします。
賃貸は予測不能な事態に対してレジリエンスがあります。
そもそも日本では新築戸建てに適した土地を見つける難易度が非常に高いです。
アメリカと違い土地が狭くて歴史の長い日本では、土地を持っている地主以外は戸建てを建てるべきでは無いのです。
良い土地はもうすでに誰かに取られています。
住み心地最高であれば出ていく人は少なく、その親族で回されるでしょう。
私は住み心地最高の土地でなければ戸建てを買う勇気はもうありません。マンションも同じです。
人生が変わるくらいのお金を払うのにどこかで妥協するのは嫌です。
そうなると勝率はかなり低い。もはや勝てる気がしません。やはり持ち家はリスクが高い。
よく賃貸の弱点で老人になった時に借りれなくなる可能性があげられますが、超少子高齢化が進む日本で、老人になってから賃貸が借りられなくなる心配は不要でしょう。
今後マジョリティになる老人を排除したら、空き賃貸物件だらけになってしまいます。
それに、ある程度資産さえ持っていれば、前入れするなどしていくらでも大家と交渉できるでしょう。
よって私はレジリエンス最強の賃貸を推します。
あと賃貸であれば近所付き合いも不要です。
戸建てなら近所付き合いを完全に断つのはあまりよいことではありません。
賃貸に住んでお金や周辺環境に縛られることのない、経済的・精神的自由を手に入れましょう!
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