収入の10%を貯蓄すれば財産を築けるか
去年バビロンの大富豪という本を読みました。
何やらこの本、資産形成のバイブルとのこと。
物語調になっていてなかなか面白かった。
この本読んで思ったことが2つあります。
まず一つ目は、収入の1/10の貯蓄は少なすぎないか？ということ。
バビロンの大富豪では五つの黄金の法則なるものが紹介され、その中で
「将来の資産と家族の財産を築くため、最低でも収入の十分の一を貯めるならば、黄金は自ら進んで、しかもだんだんとその量を増やしながらやってくるだろう。」
というものがあり、これに従った主人公はお金持ちになるという話。
ここを読んで真っ先に思ったことが、
「え、収入の1/10すら貯蓄しない人なんているか？」ということでした。
収入の1/10の貯蓄は明らかに少なすぎるでしょ…。
月収20万円の場合、月2万の貯蓄ごときで、黄金は自ら進んで量を増やしながらやってくるでしょうか？
ありえません…。
並の給与なら30-50%は貯蓄しなければ財産は築けないでしょう。
国民性の違い
古代の都市バビロンが豊かだったのか、この本が書かれた1920年代のアメリカが裕福だったのか、現代の日本が貧しいだけなのかわかりませんが、今の日本のサラリーマンが収入の1／10程度貯蓄したところでどうしようもありません。
浪費家のアメリカ人により、アメリカ人向けに書かれ、アメリカで売れた本なのでこの貯蓄水準なのかもしれません。
彼らの収入は日本人よりずっと高いですが、クレジットカードで頻繁にキャッシングを使うので借金に追われてなかなか貯金ができないらしいです。
クレカで毎月借金して10％以上もの利息を払っているらしい…
日本人でこんなクレジットカードの使い方する人はかなり稀ですよね。
マネーリテラシーの欠落している極々一部の人だけです。
大多数の人はクレカはショッピング利用でしか使わないし、ポイントをシコシコ貯めるられる便利なキャッシュレスカードとして使ってます。
もはやポイ活の必需品という認識が主でしょう。
日本人にとってクレジットカードは節約のためのものなのです。
これがそもそものアメリカ人と日本人の違いです。
国民性の違いです。
アメリカ人があまりにも浪費するもんだから、政府がお金を貯めようキャンペーンなんて厚かましいことをやるくらいですからね。
正反対に日本は貯蓄ばかりして消費しないので政府が消費を煽ってきます。
消費に関して日本とは真逆の国民性なんです。
アメリカ人向けに書かれた本を日本人が読んで鵜呑みにするのと語弊が生じてしまいます。
アメリカのような収入の高い国だと、収入の10%でも貯蓄すれば十分なのかもしれません。
日本の平均的なサラリーマンはそれじゃダメダメです。
少なくとも収入の30％以上、理想としては50％以上貯蓄しなければ経済的自由を得られないのです。
奴隷とサラリーマンの恐るべき類似
この本を読んで思ったこと二つ目は、4000年前の奴隷といまの労働者ってあんまり変わらなくないか？ということです。
この本によると、バビロニアの奴隷は自分で商売を考えてお金を稼ぐことができて、一定程度貯めれば主人から解放されて自立できるらしい。
お金を貯めれば解放される……なにか見覚えありませんか？
そう、バビロニアの奴隷は我々サラリーマンと同じなんです。
言い換えると、現代のサラリーマンはバビロニアでいうところの奴隷なのです。
この社会の巧妙なところは、サラリーマンに自分を奴隷だと思わせないような雰囲気が出来ているところ。
職業選択の自由はあります。
あくまでもサラリーマンをやろうが、自営業で商売をやろうが自由ですよと。
で、自分で商売を考えられない経済的なセンスの無い人をまんまとサラリーマンという名の奴隷にするのです。
本当に巧妙ですよ。
雇用主が奴隷と呼ばないってだけで、自分を奴隷だと認識させずに手懐けて奴隷の如くボロ雑巾にすることができるんです。
ましてや稲盛和夫を経営の神様とか煽ててますからね。あんなのただのブラック企業の生みの親なので、我々サラリーマンは忌み嫌うべき存在なんです。サラリーマンの仇なんです。
他にも前澤社長とかの経営者を崇める風潮はほんと辞めた方がいい。
前澤がSNSでやってる金配りで、10万だか100万だかをもらうために尻尾振ってリプライしてる奴ら。
もう完全に富豪の靴を舐める行為です。バビロニアの奴隷以下ですよ。
バビロニアの奴隷は自分を奴隷と認識しているだけ、現代のサラリーマンより上です。
現代のサラリーマンが不幸なのは自分が奴隷だと気づかずに、そこから逃れようとしないところにあります。
もっとも、死ぬまで気づかなければ、それはそれで幸せなのかもしれませんが…
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